会津若松市立第六中学校

「はだし運動」といえば一般的に小学校での実施例が多かったと思うのですが、福島県会津若松市立市立第六中学校では、中学校としては珍しい「はだし運動」が実践されていました。「はだし運動」を実施していた当時の状況について、文献等により調査しましたのでその結果を紹介したいと思います。

「学校体育1984年6月号(日本学校体育研究連合会)」の中に、「よい姿勢で生活し、うす着とぞうり履きの奨励」という表題で裸足教育の様子が紹介されていましたので、その内容を以下に引用したいと思います。
四、素足で草履履きの奨励

日常生活の中で、実践できる内容のひとつに、うす着の生活と並行して、校舎内では、素足でぞうり履きの生活がある。現代の生徒たちは、夏でもくつ下を脱げない生活環境の中で育ち、足の裏を刺激し、鍛える場はほとんどなかったと言ってよい。
サンダルは履いても、足の親指の間に鼻緒をしっかりはさむ経験はなく、ゴムぞうりを採用した年は、親指の間や足の裏が痛い、冷たい、汗が出てぬるぬるするなどの声が聞かれた。とにかく、ぞうりを履く場合は、くつ下を脱ぐことを原則とした。
(1)校舎内は、くつ下を脱ぎ、素足でぞうり履きをする。
(2)冬期間も、できる生徒は、素足でぞうり履きをする。
(3)足の裏は発汗作用が多いため、ぞうりも汚れるので、時々水洗いをする。
(4)集会時には、はだしになって、五分間、背筋をピンと伸ばし、よい姿勢をとる。その間、体力つくり委員により、質問されたことについて、指名された生徒(十名ぐらい)は、大きな声で返事をし、全員に聞こえるような声で答える。
(5)足の裏からうける感触を大事にする。
(中略)
素足で草履履きをの生活が実践されて以来、その効用については、早急には、その結果を出しにくい質のものであるが、実践初年度の全校生徒の調査によると、ぞうり履きは健康によいという認識が、多くなっている(資料⑦-(2))。

資料⑦ ぞうり履きについて(57年度)
(1)素足でぞうりを履いてどう思いますか
ア とてもよい…27.6%
イ ズックでもぞうりでもどちらでもよい…57.2%
ウ できればぞうりは履きたくない…15.2%
(2)ぞうり履きは健康に役立つと思いますか
ア 大いに役立つ…27.2%
イ 少しは役立つ…59.7%
ウ あまり役立たない…11.0%
エ 役立たない…2.1%

また、これより遡ること2年、「学校体育1982年3月号(日本学校体育研究連合会)」の中にも同校のはだし教育に関する記事が出ていて以下のように記載されています。
健康つくりに対する関心が高まり、うす着に慣れ、時には、はだかで、または、素足で校庭を動き回る姿も見られるようになった。

これらを総合すると、同校でのはだし教育は、「校舎内は素足でぞうり履き」「グランドでは裸足になることも可能」というものだったようです。

インターネットアーカイブで検索すると、2010年1月6日更新時点での学校ホームページを見ることができるのですが、その中にも夏場のぞうり履き生活が明記されています(下記参照)。 asi

また、このページをご覧になられた方からもはだし教育に関する情報を頂きましたので、その内容を以下に紹介したいと思います。

実施期間は記憶が正しければ5-10月で、校内は素足にサンダル履きで原則生活するようです。

この方の情報によりますと、この素足+サンダル履き教育は2010年代後半になるまで行われていたようで、また当時の校内の様子が分かる画像もありましたので、以下に掲載します(生徒たちの足元を見ると茶色いサンダルを素足で履いていることが分かります)。 asi asi asi asi asi

第六中学校のはだし教育に関する情報をお持ちの方は、以下のフォームよりその内容を教えていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

関連ページ
はだし教育トップページ
小学校のはだし教育
中学校のはだし教育
会津若松市立第六中学校
和木町立和木中学校
岩国市立平田中学校
佐伯市立彦陽中学校

2022年12月18日公開 2023年1月9日更新