妄想はだし教育

管理人makinotaが想像で書いた、はだし教育を行う中学校の新聞記事です。

【No.1】●●中学校のハダシ教育

○○市立●●中学校では、一風変わった教育を実践している。それは、全校生徒が学校にいる間じゅう、ハダシで生活する「ハダシ教育」だ。このハダシ教育は、靴の締め付けから足を開放して健康的になろう、そして足の裏に刺激を与えて脳の活性化を図ろうという目的で、二年前から始められた。

ハダシ教育に全校生徒が取り組む期間は四月から十一月までであるが、それ以降の厳冬期もハダシのまま過ごす生徒が多い。同校がまとめた昨年度の実績では、一~二月でも全体の70%の生徒がハダシを継続していた。ハダシ教育実践の場は、教室での授業だけではない。体育の授業や部活動も原則ハダシである。さらに、トイレ掃除もハダシで実践している。当初、これについては衛生面から反対意見もあったが、「ハダシでも入れるようなきれいなトイレを目指そう」という趣旨を繰り返し説明することで実践に踏み切った。

●●中学校の朝の登校風景は驚くべきものである。なんと、自転車通学している生徒の半数くらいが、靴を前かごに入れたままハダシでペダルと漕いでいるのだ。そんな一人、二年生の深田純子さんに話を聞いた。「わたしの場合、自転車に乗るときはいつもハダシ、一応、靴は持ってきているけど基本的に履くことはないです。足指の隙間にあたる風や、ペダルの凹凸で足の裏が刺激される感じが好きなのです。」

校舎内をハダシで歩き回っている生徒にもハダシ教育の感想を聞いてみた。 三年生の福島結花さんは「ハダシ教育はわたしが一年生の九月から始まりましたが、ハダシは足が開放されるようでとても気持ちいいです。冬は少し寒いけど、窮屈な靴で足を締め付けられるよりは足の健康にも良いと思うので、一年中ハダシを続けています。」という。

また、同じく三年生の大沢麻衣さんによると「ハダシ教育を始めた最初のころは、校舎内も汚かったのか一・二時間するともう埃やら髪の毛やらいろいろなものがくっついて、足の裏が真っ黒に汚れていました。でも、最近はあまり足の裏が汚れることもなくなりました。普通の学校は放課後に掃除をしていると思うけど、ハダシ教育をしているわたしたちの学校では820人の生徒の足の裏をモップがわりに、朝から夕方までつねに校舎内を掃除しているのと同じなのでどんどん校舎内の床もきれいになってきた気がします。」とのことだ。当初は生徒の健康を目的に始められた同校のハダシ教育だが、校舎内の美化という副産物も生み出しているようである。

放課後、校庭の片隅にあるテニスコートでは、足を砂まみれにしながら活発に動き回るテニス部の生徒の姿があった。練習の合間に休憩していた三年生の三上菜々さんに話を聞いた。「靴を履いていたころは、どうしても足が蒸れて足も靴もニオイが気になったりしていたのですが、ハダシになってからは全然気にならなくなりました。そういえば、ハダシ教育は始まってからの二年間、学校のある日は靴履いた記憶が無いんですよ。」そう言って笑う彼女もハダシ自転車通学組なのだ。

ハダシを実践しているのは、何も運動部だけではない。文科系部活のひとつであるボランティア部は、週に一回、学校近隣の施設の清掃を行っているのだが、その活動もまたハダシなのだ。当紙が取材に行った日は、学校から1キロほど離れたところにある公園の雑草引きの日だったのだが、その往復の道のりも、当の生徒たちはそれが当たり前かというように、ハダシのまま進んでいく。一年生の三崎かのんさんは「だって、いちいち靴を履くのって面倒じゃないですか。最初のころは結構痛かったけど、慣れると痛気持ちいい感じになるんですよ」。そういって私のほうに足の裏を突き上げて見せてくれた。彼女の足の裏には、小石や草がめり込んでいたが、これらの刺激が「痛気持ちいい」という感触なのだろう。


2023年4月25日 No.1公開
2023年4月26日 No.1更新