今治市立玉川中学校

「はだし運動」といえば一般的に小学校での実施例が多かったと思うのですが、愛媛県今治市立玉川中学校では、中学校としては珍しい「はだし運動」が実践されていました。「はだし運動」を実施していた当時の状況について、文献等により調査しましたのでその結果を紹介したいと思います。

玉川中学校の「はだし運動」についての記述が確認できる一番古い文献は、「進路指導(1989年11月号)」(日本進路指導協会)で、この中にある同校の紹介ページの中に「体力つくり はだし運動」の記述があります(ただし、運動の具体的な内容は書かれていません)。

次に紹介するのは、インターネットアーカイブで閲覧できるものからです。こちらは「教育広報えひめNo.170(平成19年8月号)」のものと思われます。この中に玉川中学校の紹介文があり、その一部にはだし運動の記述が以下のようにあります。
(1)命を守り輝かせる取組
生徒健康対策として四半世紀前から取り組んでいる「はだし運動」は、本校独特の活動である。全校生徒が5月~10月の間、登校して下校するまで一日中はだしで過ごすことによって、足の裏のツボを刺激し、木の温もりを素肌で感じて心身共に健康に生活している。玄関や中庭の掃除はもちろんのこと、部活動の運動場のランニングもはだしで走っている生徒をたくさん見かける。
インターネット上の出典はこちらのサイトで確認できるほか、原書は愛媛県立図書館で閲覧することができるようです。

次の文献は「中等教育資料(平成27年1月号)」からです。こちらは玉川中学校の清掃活動の紹介文で、内容は以下の通りです。
(2)「ぬか袋」で校舎を磨く活動
本校の校舎は、平成5年3月に玉川町の絶大な教育支援施策を受けて改築された。鉄筋3階建で教室や廊下などの内装には檜が多量に使用されている。檜には、木目の美しさだけでなく独特の柔らかさがあり、夏になると生徒たちは男女を問わず素足で過ごしている。
米ぬか磨きは、ぬかの脂肪分が布を通してしみ出し、磨けばつやが出るうえ、床表面を保護する効果がある。古くから木造校舎では行われていたが、途絶えていた活動である。
自分たちの校舎を大切にしよう、そして、気持ちよく学校生活を過ごそうと、5年前から「ぬか袋」で校舎を磨く活動を始めた。
文献には、この文章とともに、裸足のまま床磨きをする男女生徒の写真も載せられています。かなり不鮮明ではあるのですが、以下に紹介します。 asi

インターネット上を探してみると、こちらのサイトに紹介されている記事(2013年6月)の中で講演を聴講する生徒の足元が裸足になっているのが分かります。

また、国立国会図書館のインターネットアーカイブ上では、今は見られなくなった玉川中学校の昔のブログを閲覧することができ、その中にある以下の活動で、裸足の生徒が映っている画像があります。
・2011年6月7日:学級旗発表会
・2012年7月19日:人権集会
・2014年7月7日:参観日
一方で、2015年のページには裸足の生徒の画像が見られないことから、同校のはだし運動は2014年頃を最後に中止になったものと考えられます。

--お願い--

玉川中学校のはだし教育に関する情報をお持ちの方は、以下のフォームよりその内容を教えていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。


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2023年1月15日公開