長洲町立長洲中学校
「はだし運動」といえば一般的に小学校での実施例が多かったと思うのですが、熊本県長洲町立長洲中学校では、中学校としては珍しい「はだし運動」が実践されていました。「はだし運動」を実施していた当時の状況について、文献等により調査しましたのでその結果を紹介したいと思います。
はだし教育の実施状況が「中等教育資料(1981年12月号)」に記載されていましたので以下に内容を抜粋します。
全校体育
「可能性にいどむ」という校訓にのっとり、自己の限界にのぞむ精神力、体力づくりを目的とした本校の全校体育は、8年の歴史を持つが、本年度からは更に一歩進めて、生徒はもちろん教師も全員はだしで実施している。
これは、毎週1回、学校裁量の時間の一つを利用し、実施しているのであるが、ジョギングと9種目のサーキットを組み合わせたものである。
これらの種目に「より高く、より速く」という自己の可能性にいどませるそのために、全校体育ステップを作成し活用している。
はだしによる全校体育の効果の科学的データは、始めてまだ月日が浅いので持ち合わせていないが、ただ、今まではだしになった経験のない子供や、少ない子供が多いだけに、最初は、はだしになるのをこわがったり、いやがったりしていたが、最近ではその抵抗もほとんど見られず、かえって足のぬくもりやはだしになることの気持ち良さを訴える子供が増えてきたことははっきり言える。
また、この全校体育は、全職員が生徒とともに行動しているので、生徒と教師のスキンシップの場にもなっている。
小学校のはだし教育では、土踏まずの形成をはじめとした体力づくり、健康づくりといった物理的なメリットが重視される傾向にありましたが、中学校におけるそれの場合、ともするとお互い疎遠になりがちな思春期の生徒と大人の教員の精神的な関係強化、といった部分のメリットも大きかったことがうかがえます。
また、この記事の1年ほど前に、同校ではだし教育の発表会が行われた時の様子が新聞に掲載されていましたので、その内容を紹介したいと思います。
読売新聞熊本版(1980年11月15日)
毎日新聞熊本版(1980年11月15日)
西日本新聞熊本版(1980年11月15日)
さらに、はだし体育の様子は1981年7月6日付の教育新聞にも紹介されています。
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2024年5月26日公開(ページ分割)